私立医学部の併願は何校?受験料の総額から決める【2027年度】

私立医学部の併願は何校?

私立医学部の併願は何校にするかは、1次試験が集中する2月上旬に受けきれる日程、1校6万円の受験料、合格後に払う入学金を何校分まで出せるかで決まります。6校出願なら受験料は約37万円。入学手続の締切は国立前期の合格発表より前に来ます。

この記事でわかること

  • 2027年度の一般選抜の検定料(6大学の募集要項で確認)と、校数ごとの総額
  • 1次・2次の日程から受けきれる校数を出す方法
  • 合格後の入学手続の締切と納入額(国立前期の発表とのずれ)
  • 進学しない大学に払ったお金のうち戻るもの・戻らないものと期限
  • 受験料と入学金の上限から併願校を逆算する手順

参照した一次情報: 各大学の令和9(2027)年度 学生募集要項・入試ページ/文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」/大学入試センター「令和9年度 共通テスト実施要項」/最高裁判所 平成18年11月27日判決(いずれも2026年10月19日確認)

この記事の要点

  • 2027年度の一般選抜の検定料は、確認できた6大学すべてで1回6万円
  • 6校なら検定料だけで36万円。支払手数料と共通テストを足すと約39万円
  • 私立の手続締切は3月1日〜4日。国立前期の発表(3月6日〜10日)を待てない
  • 入学金は辞退しても原則戻らない。授業料などは3月31日までに辞退すれば返還される

併願校数を決める3つの上限

  • 日程の上限2月上旬に何日続けて受けられるか1次試験は2月2日〜12日に集中。2次の日程が重なる組み合わせもある
  • 受験料の上限検定料6万円×校数+手数料6校で約37万円、8校で約50万円
  • 入学金の上限進学しない大学に何校分まで払えるか入学金は100万〜200万円。手続締切は3月1日〜4日

図:併願校数は、日程・受験料・入学金のうち一番きつい上限で決まる。

目次

私立医学部の併願は何校が現実的か

併願校数の正解は、受験生ごとに違います。大学や国が「医学部受験生の平均出願校数」を公表した統計は、確認できた範囲ではありません。

そのため、校数は「何校受けたいか」でなく、次の3つの上限から決めるのが確実です。

  • 日程: 1次・2次を移動込みで受けきれる日数
  • 受験料: 検定料と手数料の合計を家計で出せるか
  • 入学金: 合格後、進学しない大学に払う可能性のある額

当サイトの私立医学部の入試日程2027では、チャレンジ校1〜2校・実力相応校3〜4校・安全校2〜3校の計6〜8校を基本の形にしています。ただ、この形は日程と予算が許す場合の目安です。上限のほうが小さければ、そちらに合わせて削ります。

共通テスト利用を足すと受験機会は増える

共通テスト利用方式は、1月の共通テストの点数で判定するため、2月の移動がいりません。愛知医科大学の共通テスト利用選抜は検定料4万円で、一般選抜の6万円より安く設定されています。

ただし、共通テスト利用のボーダーは高めです。得点の目安は共通テストで医学部合格に必要な点数で確認してから、出願校に加えるか決めてください。

受験料の総額を校数で計算する(2027年度の検定料)

2027年度の一般選抜で、募集要項・入試ページから検定料を確認できた6大学は、どこも1回6万円でした。

私立医学部 一般選抜の入学検定料(2027年度・各大学の要項/2026年10月19日確認)

大学一般選抜の検定料割引・追加の扱い
東京医科大学60,000円1回の出願ごとに支払手数料2,000円。共通テスト利用と併願なら検定料はそれぞれ必要
東邦大学60,000円—
愛知医科大学60,000円共通テスト利用選抜は40,000円
金沢医科大学(前期)60,000円1次の2日間を同時に出願すると110,000円。別に手数料2,000円
兵庫医科大学(一般A)60,000円—
獨協医科大学(前期)60,000円1次の2日間を同時に出願すると110,000円

出所は、東京医科大学 医学科 入学試験概要、東邦大学 医学部 一般入試、愛知医科大学 令和9年度 医学部学生募集要項、金沢医科大学 令和9年度 入学者選抜要項、兵庫医科大学 2027年度一般選抜A、獨協医科大学 栃木県地域枠(一般選抜前期の検定料を記載)です。

校数ごとの受験料の試算

検定料6万円に、東京医科大学・金沢医科大学と同じ支払手数料2,000円を足して計算します。手数料は大学や支払方法で変わるため、目安として見てください。

出願校数と受験料の合計(検定料6万円+手数料2,000円で試算)

出願校数検定料の合計手数料の合計受験料の合計
4校240,000円8,000円248,000円
6校360,000円12,000円372,000円
8校480,000円16,000円496,000円
10校600,000円20,000円620,000円

ここに共通テストの検定料が加わります。大学入試センターの令和9年度試験の実施要項では、3教科以上の受験で18,000円です。6校出願なら、受験料は合計で約39万円になります。

試験日を2日選べる大学は「2回分」で数える

金沢医科大学と獨協医科大学は、1次試験を2日間置き、両日受けることができます。2日分を同時に出すと11万円。別々に出す12万円より1万円安い設定です。

獨協医科大学は、両日受けた場合に合計点が高い日の結果を使うと案内しています。同じ大学の受験機会を2回に増やせるので、出願校数とは別に考えてみてください。

1次・2次日程の重なりで受けきれる校数が決まる

受験料を払えても、日程が重なれば受けられません。私立医学部の1次試験は2月上旬に固まるため、受けきれる校数は日程で先に頭打ちになりやすいです。

当サイトで日程を確認した9大学では、1次試験が2月2日〜12日の11日間に入っていました。毎日受ければ移動と体調がもちません。連続受験は何日までにするか、出願前に決めておきます。

2次で重なる組み合わせに注意する

1次の日程が違っても、2次で重なることがあります。2027年度は東京医科大学の2次が2月13日・14日、愛知医科大学は2月18日〜20日から1日、兵庫医科大学は2月17日か18日の選択制です。

金沢医科大学の2次も2月17日・18日から選ぶ形です。兵庫医科大学と金沢医科大学を両方受けるなら、2次の希望日を別々の日にそろえないと両立できません。1次の日付だけで出願校を決めず、2次の日付まで書き出してから確定させます。

出願校を書き出すときの項目

  1. 出願締切(消印有効か必着か)
  2. 1次試験日と試験会場(地方会場の有無)
  3. 1次合格発表日
  4. 2次試験日(選択制なら希望日)
  5. 2次(最終)合格発表日
  6. 入学手続の締切と、そのとき納める金額

入学手続の締切と入学金の納入期限

私立医学部に合格すると、締切までに入学金と初年度の学費をまとめて納めます。2027年度は、確認できた大学の手続締切が3月1日〜4日に集まっていました。

一般選抜(前期)の合格発表と入学手続(2027年度・各大学の要項/2026年10月19日確認)

大学2次合格発表入学手続の締切入学金手続時に納める額
東京医科大学2月18日3月1日15時100万円489万6,800円(初年度分を一括)
金沢医科大学2月22日3月1日15時200万円650万円
愛知医科大学2月24日3月3日(期間は2月25日から)150万円620万円
兵庫医科大学(一般A)2月24日3月3日(消印有効)要項で確認要項で確認
獨協医科大学(前期)2月26日3月4日要項で確認要項で確認

愛知医科大学の620万円は、入学金150万円・前期の授業料150万円・教育充実費270万円・施設維持費50万円の合計です。金沢医科大学は、入学金200万円に前期分の授業料などを足した650万円を納めます。

国立前期の発表は3月6日〜10日

国立大学協会の2027年度入学者選抜についての実施要領では、国立の前期日程の入学手続締切は3月15日です。前期の合格発表は3月6日〜10日の間に行われます。

上の表の私立は、どこも国立前期の発表より前に手続が締め切られます。国立の結果を待ちながら私立の合格を残すには、入学金を含む数百万円を先に納める必要があるということです。

文科省は「合格発表後すぐの納入」を避けるよう求めている

文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項は、入学料以外の学生納付金を合格発表後の短い期間で納めさせる扱いは避けるよう、各大学に求めています。

それでも実際の締切は、合格発表から1〜2週間です。家庭で用意できる額と時期を、出願前に決めておきます。学費の全体像は医学部6年間でかかる費用にまとめています。

進学しない大学に払った入学金は戻るか

入学金は、辞退しても原則戻りません。一方で、授業料などの入学金以外のお金は、3月31日までに辞退を申し出れば返還されます。

最高裁判決と消費者契約法の考え方

最高裁判所は平成18年11月27日判決(平成17(受)1158)で、入学金を「入学し得る地位を取得するための対価」と位置づけました。在学契約が後で解除されても、大学は入学金を返す義務を負わないとしています。

授業料などを返さないという特約は、解除に伴う損害賠償の予定や違約金と同じ性質だと判断されました。消費者契約法9条1号は、平均的な損害を超える違約金の定めを無効にします。

判決は、3月31日までに解除した場合は原則として平均的な損害はなく、特約は無効になるとしました。4月1日以降の解除なら、初年度分の範囲で特約は原則有効です。

辞退したとき戻るお金・戻らないお金

3月31日までに辞退
入学金
原則戻らない(最判H18.11.27)
授業料など
返還される(大学ごとの締切時刻までに申し出)
例外
専願・学校推薦型で在学契約を結んだ場合は返還されない
4月1日以降に辞退
入学金
戻らない
授業料など
初年度分は原則戻らない
注意
大学の締切は3月31日の正午や16時など、日付だけでなく時刻まで決まっている

図:入学金は辞退しても原則戻らず、授業料などは3月31日までの辞退で戻る。

大学ごとの辞退の期限は時刻まで決まっている

文科省の実施要項も、3月31日までに辞退した人には授業料等の返還に応じるよう求めています。専願や学校推薦型で在学契約を結んだ人は、この対象から外れます。

入学辞退で戻るお金と申し出の期限(2027年度・各大学の要項)

大学入学金入学金以外の納付金申し出の期限
東京医科大学返還しない(下の負担軽減に当たれば全額返還)返還3月31日正午
金沢医科大学返還しない返還(所定の用紙で申請)3月31日16時必着
愛知医科大学返還しない返還(入学辞退届を提出)3月31日17時必着

たとえば、東京医科大学に合格したあと国立に進むケースはどうなるでしょうか。3月1日までに489万6,800円を納め、3月31日正午までに辞退すれば、戻らないのは入学金の100万円です。同じ計算で、愛知医科大学は150万円、金沢医科大学は200万円が残ります。

入学金の負担を軽くする制度が始まっている

文部科学省は令和7年6月26日に「私立大学における入学料に係る学生の負担軽減等について」を通知しました。入学しない学生が払う入学料の負担を軽くする方策を、私立大学に求める内容です。

2027年度の医学部では、次の制度が募集要項などに載っています。

  • 東京医科大学: 高等教育の修学支援新制度の採用候補者(第Ⅰ〜Ⅲ区分)などが辞退した場合、入学金を全額返還。申請は3月12日必着
  • 兵庫医科大学: 2027年度入試から入学金の半額を返還する制度を導入。日本学生支援機構の給付型奨学金の予約採用候補者が対象で、申請は3月10日必着(兵庫医科大学 受験生サイトのお知らせ)

どちらも対象者が限られます。給付型奨学金の予約採用に申し込んでいる家庭は、志望校の要項でこの制度の有無を確かめてください。入学金に回せる上限を引き上げられる可能性があります。

併願校を決める手順(受験料と入学金の上限から逆算)

併願校は、志望順に並べてから、上限に当たったところで切ります。手順は次のとおりです。

  1. 志望校の候補を10校前後書き出し、2027年度の要項で1次・2次・手続締切を写す
  2. 1次と2次の日付が重なる組み合わせを外す
  3. 連続受験の上限日数(例: 3日まで)を決め、それを超える組み合わせを外す
  4. 残った校数で受験料を計算し、家計の上限を超えたら安全校側から外す
  5. 手続締切の順に並べ、入学金を何校分まで払えるか決めておく

入学金を払う順番を先に決めておく

一番迷うのは、2月下旬から3月上旬に合格が続いたときです。手続締切は3月1日・3日・4日のように数日おきに来ます。

先に締切が来る大学に入学金を納めると、後で志望度の高い大学に受かったとき、入学金が二重になります。「どの大学なら入学金を払ってでも押さえるか」を、出願の段階で家族と決めておくと、合格発表の日に慌てません。

後期・Ⅱ期は前期の結果を待たずに出願が締まる

前期で合格がなかったときの受け皿として、後期・Ⅱ期もあります。ただ、昭和医科大学のⅡ期は2月23日必着、獨協医科大学の後期は3月1日締切で、前期の結果がそろう前に出願が終わります。

後期の受験料も、最初の予算に入れておくと安心です。後期まで出すかどうかで、受験料の合計は6万円単位で変わります。

よくある質問

私立医学部の受験料は1校いくらですか?

2027年度の一般選抜で検定料を確認できた6大学(東京医科・東邦・愛知医科・金沢医科・兵庫医科・獨協医科)は、どこも60,000円でした。支払方法によって1回2,000円ほどの手数料が別にかかる大学があります。共通テスト利用方式は愛知医科大学のように40,000円の大学もあります。

私立医学部を6校受けると受験料の総額はいくらですか?

検定料6万円×6校で36万円です。手数料2,000円×6校の1万2,000円と、共通テストの検定料18,000円(3教科以上)を足すと、約39万円になります。後期・Ⅱ期や2日間受験を加えると、その分だけ増えます。

私立医学部の入学金はいつまでに払いますか?

2027年度の一般選抜(前期)では、確認できた大学の手続締切が3月1日〜4日でした。東京医科大学と金沢医科大学は3月1日15時、愛知医科大学は3月3日、獨協医科大学は3月4日です。どの大学も、入学金に加えて初年度前期分などの学費を同じ締切で納めます。

国立に受かったら、私立に払った入学金は返ってきますか?

入学金は原則として返ってきません。最高裁平成18年11月27日判決は、入学金を入学できる地位の対価とし、返還義務はないとしました。授業料など入学金以外のお金は、3月31日までに辞退を申し出れば返還されます。大学ごとに正午や16時といった締切時刻があります。

私立医学部の出願はいつまでですか?

2027年度の一般選抜(前期)の出願締切は、確認できた大学で1月13日〜2月1日でした。東京医科大学が1月13日消印有効、金沢医科大学が1月15日、愛知医科大学が1月22日、獨協医科大学が2月1日です。共通テストより前に締め切る大学もあるので、年内に出願書類をそろえておきます。

併願校が多すぎると不利になりますか?

校数そのもので合否が変わる仕組みはありません。ただ、連日の受験で体調を崩したり、2次の準備が間に合わなかったりすると実力が出ません。1次発表から2次までは数日しかない大学が多いので、2次対策を1次前に済ませられる校数に抑えます。

まとめ

私立医学部の併願は何校? まとめ

  • 併願校数は日程・受験料・入学金のうち一番きつい上限で決める
  • 2027年度の一般選抜の検定料は確認できた6大学で1回6万円。6校で約39万円
  • 1次試験は2月2日〜12日に集中。2次の日付まで書き出して重なりを外す
  • 私立の手続締切は3月1日〜4日で、国立前期の発表(3月6日〜10日)より前
  • 入学金は辞退しても原則戻らない。授業料などは3月31日の締切時刻までに辞退すれば戻る
  • 給付型奨学金の予約採用候補者は、入学金の返還制度がある大学を確認する

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免責事項

※本記事は、各大学の令和9(2027)年度の募集要項・入試ページ、文部科学省・大学入試センター・国立大学協会の公表資料、最高裁判所の判例情報(いずれも2026年10月19日確認)をもとにした一般的な整理です。検定料・納付金・手続期限は変更される場合があり、本記事に載せていない大学・区分は確認できていません。出願と入学手続の判断は各大学の最新の募集要項で確認し、個別の事情は各大学の入試担当窓口にご相談ください。

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この記事を書いた人

Kimuraです。医学部専門の予備校で3年間、化学や生物、小論文、面接対策の指導を補助しながら、合格者100名超の出願データや配点分析を整理してきました。国公立と私立、それぞれの入試要項を毎年読み込み、大学のパンフレット30冊以上と突き合わせる作業を続けています。

現場で分かったのは、同じ勉強量でも、配点と志望校選びの精度で結果が大きく変わるということです。一般の大学とは違う科目別の配点を読み、面接で落とされやすいポイントや再受験生に厳しい大学を知っているかどうかが、合否を分けます。

学力試験の戦略から面接・小論文の対策、志望校の絞り込みまで、データにもとづいて具体的に解説します。勉強の負荷や体調、メンタルで不安を感じたときは、かかりつけ医やスクールカウンセラーに早めに相談してください。

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