医師国家試験の合格率は?新卒と既卒の差を8年分で確認

国試の合格率

医師国家試験の合格率は、第120回(2026年2月)で全体91.6%、新卒者94.7%でした。厚生労働省の発表を8年分並べると、新卒は92〜95%台で安定しています。一方、全体から新卒を引いた既卒者などの合格率は54〜69%にとどまります。

この記事でわかること

  • 第113〜120回(2019〜2026年)の合格率の推移(新卒・全体)
  • 新卒以外の受験者の合格率(当サイトで算出)
  • 出願したのに受験しなかった人数の推移
  • 合格基準(何点で受かるか)の年ごとの動き
  • 大学別の合格率を志望校選びで読むときの注意点

参照した一次情報: 厚生労働省「医師国家試験の合格発表について」第113〜120回/同「第119回医師国家試験の学校別合格者状況」(いずれも2026年10月21日確認)

この記事の要点

  • 第120回の合格率は全体91.6%・新卒者94.7%(受験者9,980人・合格者9,139人)
  • 新卒以外の合格率は8年間で54.0〜69.2%。1回で受からないと確率は大きく下がる
  • 新卒者のうち毎年200〜280人が、出願しても受験していない
  • 大学別の率は「全体か新卒か」「受験者数」をそろえて比べる

医学部を選ぶとき、「国家試験の合格率が高い大学」を条件に入れる受験生や保護者は少なくありません。ただ、合格率の数字には「新卒か全体か」「何人が受けたか」という前提があり、そろえずに比べると見誤ります。

予備校で出願データを整理していた頃も、合格率の表を見て志望校を入れ替えたいという相談は毎年ありました。この記事では、厚生労働省の発表だけを使って、まず全国の数字の動きをつかみ、そのうえで大学別の数字の読み方をまとめます。

目次

医師国家試験の合格率は9割前後|第120回は91.6%

医師国家試験の合格率は、全体で9割前後、新卒者で95%前後の年が続いています。第120回(2026年2月7日・8日実施)の結果は次のとおりです。

第120回医師国家試験の結果(厚生労働省 2026年3月発表)

区分出願者数受験者数合格者数合格率
全体10,244人9,980人9,139人91.6%
新卒者9,422人9,205人8,716人94.7%

出所: 厚生労働省「第120回医師国家試験の合格発表について」

合格率は、合格者数を受験者数で割った数字です。出願者数で割ったものではありません。この違いは、後で大学別の数字を読むときに効いてきます。

8年分の推移

第113回から第120回までの厚生労働省の発表を並べると、新卒者の合格率は92.4〜95.4%の幅に収まっています。

医師国家試験の合格率の推移(第113〜120回・厚生労働省の合格発表から作成)

回(実施年)全体の受験者数全体の合格率新卒者の受験者数新卒者の合格率
第113回(2019年)10,146人89.0%9,176人92.4%
第114回(2020年)10,140人92.1%9,044人94.9%
第115回(2021年)9,910人91.4%9,159人94.4%
第116回(2022年)10,061人91.7%9,232人95.0%
第117回(2023年)10,293人91.6%9,459人94.9%
第118回(2024年)10,336人92.4%9,489人95.4%
第119回(2025年)10,282人92.3%9,507人95.0%
第120回(2026年)9,980人91.6%9,205人94.7%

出所: 厚生労働省「医師国家試験の合格発表について」各回(第113回・第116回・第119回ほか)

新卒以外の合格率は5〜7割にとどまる

厚生労働省の発表は「全体」と「新卒者」の2行だけです。全体から新卒者を引くと、既卒者などの数字が出せます。計算すると、新卒以外の合格率は8年間で54.0〜69.2%でした。

新卒以外の受験者の合格率(全体−新卒者で当サイトが計算)

回(実施年)受験者数合格者数合格率
第113回(2019年)970人551人56.8%
第114回(2020年)1,096人758人69.2%
第115回(2021年)751人409人54.5%
第116回(2022年)829人448人54.0%
第117回(2023年)834人460人55.2%
第118回(2024年)847人499人58.9%
第119回(2025年)775人457人59.0%
第120回(2026年)775人423人54.6%

この「新卒以外」は、新卒者以外のすべての受験者をまとめた数字です。厚生労働省は内訳を分けて出していないため、前年までに卒業した既卒者だけの数字とは限りません。

それでも傾向ははっきりしています。新卒の年に受かれば95%前後の世界ですが、1回落ちると、次の年は5〜6割まで下がるのが実態です。

新卒と新卒以外で、合格率はここまで違う(第120回)

新卒者
受験者
9,205人
合格者
8,716人
合格率
94.7%
新卒以外(全体−新卒)
受験者
775人
合格者
423人
合格率
54.6%

出所: 厚生労働省「第120回医師国家試験の合格発表について」の全体・新卒者の数字から当サイトが計算

図:新卒者は95%近くが受かる一方、新卒以外の受験者は半分強しか受からない。1回目で受かることの重みが大きい試験。

出願しても受験しない新卒者が毎年200人以上いる

もう一つ、合格率の表だけでは見えない数字があります。出願者数と受験者数の差です。

出願したが受験しなかった人数(出願者数−受験者数・当サイトが計算)

回(実施年)全体うち新卒者新卒者の出願者に占める割合
第113回(2019年)328人280人3.0%
第116回(2022年)292人241人2.5%
第118回(2024年)278人227人2.3%
第119回(2025年)262人210人2.2%
第120回(2026年)264人217人2.3%

新卒者のうち、毎年200〜280人が出願しながら試験を受けていません。理由は公表されていないので、一人ひとりの事情は分かりません。

ただ、合格率はあくまで「受験した人」の中での割合です。受験しなかった人は分母に入りません。大学別の数字を見るときも、この点を頭に置いておく必要があります。

合格基準は毎年動く|何点で受かるか

医師国家試験の合格基準は、毎回の合格発表で公表され、その点は年によって動くものです。

医師国家試験の合格基準の推移(厚生労働省の合格発表から作成)

回(実施年)必修問題必修以外の一般・臨床禁忌肢の選択数
第117回(2023年)160点以上/200点220点以上/295点2問以下
第118回(2024年)160点以上/200点230点以上/300点3問以下
第119回(2025年)160点以上/200点221点以上/300点3問以下
第120回(2026年)160点以上/200点224点以上/300点3問以下

必修問題は8割(160点/200点)でほぼ固定。必修以外の基準は、問題の難しさに合わせて220点台から230点まで動いています。禁忌肢(選ぶと危険な選択肢)を一定数以上選ぶと、点数に関係なく不合格になる仕組みです。

受験生の段階でここまで細かく知る必要はありません。押さえたいのは、6年生の2月に「必修8割・全体で7割台半ば・禁忌を踏まない」を満たす勉強が求められる、という一点です。

大学別の合格率を志望校選びで読むときの注意点

大学別の数字は、厚生労働省が合格発表の日に「学校別合格者状況」として報道機関向けに配る資料にまとまっています。第119回分は厚生労働省のウェブサイトにPDFで掲載されていました。

この資料の表紙には、「ベスト5・ワースト5等といった記載は差し控えていただきますよう」という依頼が書かれています。順位だけで大学を比べることを、出す側が想定していない数字だということです。

大学別の合格率を比べる前にそろえる項目

項目なぜそろえるか
全体か新卒か新卒以外の受験者が多い大学ほど、全体の率は下がる
受験者数新卒以外が数人の大学では、1人の合否で率が10%以上動く
出願者数と受験者数の差受験しなかった人は率の分母に入らない
年度単年は振れる。3年分を並べて見る
入学からの年数6年で卒業できた人の割合は合格率には出てこない

出所: 厚生労働省「第119回医師国家試験の学校別合格者状況」(表紙の依頼文と全体の数字を確認)

新卒の合格率だけでは「6年で医師になれるか」は分からない

合格率は、6年生まで進んで受験した人の数字です。途中の学年で留年した人や、卒業が遅れた人の分は入っていません。

志望校の「卒業までにかかった年数」を知りたいときは、各大学が公表している修学状況のデータや、オープンキャンパスでの説明を合わせて確かめてください。合格率が高くても、そこに至るまでの進級が厳しい大学もあります。

国公立と私立の違いは平均では語れない

「私立は国家試験に強い」「国公立のほうが合格率が高い」といった話を聞くことがあります。厚生労働省の公表資料は大学ごとの数字で、設置区分ごとの平均は出ていません。区分でひとくくりにせず、志望校ごとに3年分を見るほうが確かです。

国公立と私立の学費や入試の違いは国公立医学部と私立医学部の違いで整理しています。

志望校の合格率を読む順番

  • 手順1新卒者の合格率を見る全国平均は94.7%(第120回)
  • 手順2受験者数と出願者数を見る差が大きい年は、率だけで判断しない
  • 手順33年分を並べる1年だけ低い・高いは振れの可能性がある
  • 手順4進級・卒業の状況を別に確かめる合格率には途中で止まった人が入らない

出所: 厚生労働省の合格発表・学校別合格者状況の項目から当サイトが作成

図:大学別の合格率は、新卒の率→受験者数→3年分→進級の順に読むと、数字の振れに振り回されにくい。

よくある質問

医師国家試験の合格率はどれくらいですか?

第120回(2026年2月)は全体91.6%、新卒者94.7%でした。第113〜120回の8年間では、全体が89.0〜92.4%、新卒者が92.4〜95.4%の幅に収まっています。

国家試験に落ちた人は次の年に受かりますか?

全体から新卒者を引いた「新卒以外」の合格率は、8年間で54.0〜69.2%でした。既卒者だけの数字ではありませんが、新卒の95%前後と比べると大きく下がります。

大学別の合格率はどこで見られますか?

厚生労働省が合格発表の日に「学校別合格者状況」を配布しています。第119回分は厚生労働省のウェブサイトにPDFが掲載されていました。各大学も入試案内やウェブサイトで自校の合格率を公表していることがあります。

合格率の高い大学を選べば医師になりやすいですか?

合格率は6年生まで進んで受験した人の数字で、途中の留年や卒業延期は反映されません。新卒の率、受験者数、3年分の推移、進級の状況を合わせて見てから判断してください。

医師国家試験は何点取れば合格ですか?

第120回の合格基準は、必修問題が160点以上/200点、必修以外の一般・臨床問題が224点以上/300点、禁忌肢の選択が3問以下でした。必修以外の基準点は毎回変わります。

まとめ

医師国家試験の合格率 まとめ

  • 第120回は全体91.6%・新卒者94.7%。新卒は8年間92.4〜95.4%で安定
  • 新卒以外の合格率は54.0〜69.2%。1回目で受かるかどうかの差が大きい
  • 新卒者の出願者のうち毎年200〜280人が受験していない。率の分母には入らない
  • 合格基準は必修8割でほぼ固定、必修以外は220〜230点台で毎年動く
  • 大学別の率は「新卒か全体か・受験者数・3年分・進級状況」をそろえて読む

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免責事項

※本記事は、厚生労働省「医師国家試験の合格発表について」(第113〜120回)と「第119回医師国家試験の学校別合格者状況」(いずれも2026年10月21日確認)をもとにした一般的な整理です。新卒以外の数字や割合は、公表された全体と新卒者の数字から当サイトが計算したものです。大学ごとの合格率や修学状況は年度で変わるため、志望校の判断には各大学の最新の公表資料を確認してください。

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この記事を書いた人

Kimuraです。医学部専門の予備校で3年間、化学や生物、小論文、面接対策の指導を補助しながら、合格者100名超の出願データや配点分析を整理してきました。国公立と私立、それぞれの入試要項を毎年読み込み、大学のパンフレット30冊以上と突き合わせる作業を続けています。

現場で分かったのは、同じ勉強量でも、配点と志望校選びの精度で結果が大きく変わるということです。一般の大学とは違う科目別の配点を読み、面接で落とされやすいポイントや再受験生に厳しい大学を知っているかどうかが、合否を分けます。

学力試験の戦略から面接・小論文の対策、志望校の絞り込みまで、データにもとづいて具体的に解説します。勉強の負荷や体調、メンタルで不安を感じたときは、かかりつけ医やスクールカウンセラーに早めに相談してください。

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